海外企業と取引をする場合、サプライチェーン・リスク管理の一環として、種々の国際的なガイドライン等に準拠しているかを確認されるケースが多くなっているかと思います。その内容は、人権デューディリジェンス、労働、環境など多岐にわたります。
例えば、人権や労働に関して代表的なものとしては、以下のようなガイドライン等があります。
| タイトル | タイトル(日本語) | 訳の有無 | 内容 |
|---|---|---|---|
| OECD Guidelines for Multinational Enterprises on Responsible Business Conduct | OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針 | 外務省による仮訳あり | 「情報開示」「人権」「雇用及び労使関係」「環境」「贈賄及びその他の形態の腐敗の防止」「消費者利益」「科学、技術及びイノベーション」「競争」「納税」について行動指針を示す。対象は多国籍企業であるが、その範囲は広くとらえられている。 |
| UN Guiding Principles on Business and Human Rights | 国連ビジネスと人権に関する指導原則 | 外務省による抜粋訳あり | 「企業方針による人権尊重へのコミットメント」「人権デューディリジェンスの実施」「救済の提供」についての原則を示す。 |
| Declaration of the International Labour Organization on Fundamental Principles and Rights at Work | 労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言 | ILOによる仮訳あり | この宣言自体は国家に対するものであるが、同宣言の定める原則への準拠が企業に対して求められることがある。定められている原則は、主に、「結社の自由及び団体交渉権の承認」「強制労働の禁止」「児童労働の実効的な廃止」「雇用及び職業における差別の排除」「安全で健康的な労働環境」である。 |
環境に関連して、温室効果ガス排出量の管理や温室効果ガス削減の取組みの有無を尋ねられる場合もあります。また、大企業のみならず、中小企業であっても準拠が求められることもあります。
上に挙げたものは代表的なガイドライン等ですので、海外取引が頓挫することを防ぐためにも、事前に準拠しているかを確認し、状況に応じて対応を行っておくことが望ましいと考えられます。